コンビニやドラッグストアなどでスマホだけで使えるQUOカードPay(クオカードペイ)。株主優待では紙の「QUOカード」を採用する企業が多いですが、QUOカードPayを採用する企業もあります。本記事ではQUOカードPay優待の基礎知識とQUOカードとの違い/メリット・注意点/採用銘柄一覧をまとめて解説します。
「QUOカード」「QUOカードPay」は株式会社クオカードのサービス名称です。
更新履歴
- 2025年11月16日:初回記事作成
Amazonギフトカードがもらえる株主優待一覧の記事も合わせてご確認ください。

この記事の要点
- QUOカードPayはスマホ専用のデジタル版QUOカードで、有効期限(一般的に3年)がある一方、紙のQUOカードは原則有効期限なし。「QUOカードとQUOカードPayの違い」を理解することが大切。
- 紙のQUOカードとQUOカードPayは、加盟店・有効期限・管理方法が大きく異なります。事前に公式サイトの加盟店リストを確認しましょう。
- QUOカードPayが使える店舗はコンビニ・ドラッグストア・飲食店など日常使いしやすい加盟店が増加中。一方で、通販サイトなどWEB上の決済には利用できない点には注意。
- 株主優待では「QUOカードPayのみ」進呈の銘柄と、「QUOカード or QUOカードPayを選択」できるカタログ方式の銘柄がある。
- QUOカードPayはスマホ必須・有効期限ありなので、期限管理や家族のスマホ保有状況を踏まえて検討が必要。家族への共有方法や使い切り方も合わせて押さえておきたいポイントです。
QUOカードPayとは?(基本仕様と株主優待での位置づけ)
QUOカードPay(クオカードペイ)は、URLやQRコードから受け取ってスマホ画面にバーコードを表示し、加盟店のレジで読み取ってもらうデジタル式のギフトです。専用アプリがなくても、届いたURLをブラウザで開くだけで使えるのが特徴で、コンビニ・ドラッグストア・飲食店・家電量販店など、日常使いしやすい店舗で利用できます。
株主優待では、従来の紙のQUOカードと同様に受け取りやすい金券として採用されています。中には、長期保有で金額が増額されたり、QUOカードかQUOカードPayを選択できる銘柄もあります。
QUOカードとQUOカードPayの違い(比較表)
同じ「QUO」と名のつくギフトですが、紙のQUOカードとQUOカードPayは加盟店・有効期限・管理方法が大きく異なります。それぞれの違いを表に整理しました。
有効期限を気にせず長く寝かせたいなら紙のQUOカード、日常の少額決済でこまめに使い切りたいならQUOカードPayが向いています。
| 項目 | QUOカード(紙) | QUOカードPay |
|---|---|---|
| 形態 | 磁気カード(プリペイドカード) | デジタル型ギフト(URL/QRコード) |
| 利用方法 | カードをレジで渡して読み取り | スマホ画面にバーコードを表示して読み取り |
| 有効期限 | 原則有効期限なし | 多くは発行から3年など期限あり |
| 使える店舗 | コンビニ・書店・ファミレスなど全国の加盟店(加盟店数は多い) | コンビニ・ドラッグストア・家電量販店など、別ラインの加盟店(順次拡大中) |
| 残高確認 | レシートやカードの穴あきの状態で確認 | URL先の画面やアプリで確認 |
| 残高合算 | カードごとに残高管理されており合算不可(複数同時利用はOK) | ・URLだけで使う場合はコードごとに残高管理(合算不可/複数同時利用はOK) ・専用アプリであれば、保存機能で複数コードの残高を合算可能(上限20万円) |
| 家族への渡しやすさ | カードを手渡しするだけでOK | ・URLを連絡するだけでOK ・スマホを持たない家族には使いづらい |
| 紛失リスク | カード紛失で残高を失う可能性 | スマホ自体にロックをかけていれば、第三者に使われるリスクは抑えやすい |
| 株主優待での扱い | 従来から定番の優待品で採用企業が多い | ・比較的新しめで採用企業は少なめ ・デジタルギフトから交換するパターンもあり |
- 紙のQUOカードとQUOカードPayは加盟店ラインが別なので、事前に公式サイトの加盟店リストを確認しましょう。
- QUOカードPayには有効期限があるため、大量にもらった場合は計画的に消化するのがおすすめです。
QUOカードPayがもらえる株主優待の主な特徴
- 長期保有優遇が多い:1年以上・3年以上などの条件を満たすと金額アップする長期優待(長期保有優遇)設計の銘柄が多く、総合利回りを高めやすい。
- 高額進呈&年2回の銘柄も存在:テクノロジーズ(5248)のように、1,000株以上で年2回・高額QUOカードPayを進呈する銘柄もあり、QUOカードPay株主優待の中でも高利回りを狙えるケースがあります。
- 「紙 or Pay」選択型もある:トーメンデバイス(2737)やサツドラHD(3544)のように、カタログの中でQUOカードPayを選択できるタイプも採用されており、紙のQUOカードとQUOカードPayを選んで使い分けることも可能です。
- デジタルギフト経由でQUOカードPayに交換:ヒーハイスト(6433)のように、優待自体は「デジタルギフト型の株主優待」だが、交換先としてQUOカードPayを選べるケースもあります。
QUOカードPayがもらえる株主優待銘柄一覧
原則として「交換不要で直接QUOカードPayが届く優待」を横並び比較できるように整理しました。権利確定月、長期(継続保有)条件も一目で把握できます。
なお、(6433)ヒーハイストは優待の形態としてはデジタルギフトですが、交換先としてQUOカードPayを予定しているとIRに記載されているため、本一覧にも掲載しています。(公式IRリンク:2025.11.12 株主優待制度の内容変更に関するお知らせ)
前提条件
- 継続保有条件列:クオカードPayをもらうのに株式の継続保有が必要な場合はその期間を記載。
- 長期優遇列:株式を長期保有によりクオカードPayが増額する場合はその期間と金額を記載。
- 選択式や複数株主優待がある場合は、QUOカードPayのみ記載。
| 銘柄(コード) | 権利月 | 株主優待内容 | 継続保有条件 | 長期優遇 | 特記事項 |
|---|---|---|---|---|---|
| オークファン(3674) | 9月 | 300株1,000円/500株3,000円/1,000株7,500円 | - | ・1年以上 300株1,500円/500株5,000円/1,000株12,000円 | 2025年9月末権利分から優待額を拡充 |
| 川上塗料(4616) | 11月 | 100株3,000円 | 1年以上 | - | 2025年11月のみ継続保有条件なし |
| 川西倉庫(9322) | 3月・9月 | 100株500円 | - | 3年以上1,500円/5年以上2,000円 | 2025年3月より「QUOカード」→「QUOカードPay」に変更 |
| 共和工業所(5971) | 4月 | 100株1,000円 | - | - | |
| デュアルタップ(3469) | 6月 | 100株4,000円 | - | 1年以上5,000円 | |
| アミファ(7800) | 9月 | 100株1,000円/1,000株3,000円 | 3年以上 | - | |
| テクノロジーズ(5248) | 1月・7月 | 1,000株25,000円 | 6カ月以上 | 2年以上30,000円 | 継続保有期間の判定に「2025年6月以前の保有期間」は含まれない(起算は2025年7月権利分から)。 |
| トーメンデバイス(2737) | 9月 | 100株2,000円/200株3,000円/500株5,000円/5,000株10,000円 | - | 3年以上で追加 200株+2,000円/500株+3,000円/5,000株+5,000円 | 優待は複数から選択制 |
| サツドラホールディングス(3544) | 5月 | 100株500円/300株1,500円/900株3,000円/4,500株10,000円 | - | - | 優待は複数から選択制。権利確定日は5月15日で5月末ではないため要注意。 |
| ヒーハイスト(6433) | 3月 | 1,000株5,000円 | 1年以上 | - | 2026年3月より「QUOカード」→「デジタルギフト(クオカードPayの予定)」に変更。2026年3月のみ継続保有条件なし |
QUOカードPay優待の受け取り方(一般的な流れ)
企業ごとに細部は異なりますが、株主優待としてのQUOカードPayは、概ね次のようなステップで受け取って利用します。
権利確定後、数カ月後に「株主優待のご案内」や「優待カタログ」、または「定時株主総会決議ご通知」などに同封される形で、QUOカードPay優待に関する案内が郵送されます。封筒の中に、QUOカードPayに関する案内とQRコード/WEB申込用URLが記載されているのが一般的です。
申込(受取)期間が決まっている場合は、その期限を過ぎると権利が消えるため要注意です。
案内に印刷されているQRコードをスマホで読み取るか、記載されているURLにアクセスします。
手続きが完了すると、QUOカードPayのバリューコード(URL)が表示されるか、メールアドレスを入力した場合はメールでURLが送られてきます。URLをブラウザで開くと、残高とバーコードが表示され、すぐに利用できます。
頻繁に利用する場合は、公式アプリに保存しておくと、複数のQUOカードPay残高をまとめて管理でき、有効期限の確認もしやすくなります。
QUOカードPayの受取期限(申込期限)と利用期限(有効期限)は企業・発行回によって異なります。
案内に記載された受取期限を過ぎるとQUOカードPay自体を発行できなくなり、有効期限を過ぎると残高を利用できなくなります。封筒を開けたら早めに申込~利用まで終えてしまうのがおすすめです。
デジタルギフトからクオカードPayへ交換
「デジタルギフト」は、指定された金額を受取用のURL/QRコードから受け取り、交換サイトで好きな交換先を選べるデジタル金券・ポイントです。近年では株主優待でデジタルギフトを採用する企業も急増しており、多くの企業ではデジタルギフトの交換先にクオカードPayがあります。
デジタルギフトの詳細ともらえる企業については下記の記事で紹介していますので合わせてご確認ください。

QUOカードPay優待を“廃止(実質含む)”した企業(改定・新設・廃止の把握に)
参考として、導入後に廃止、または選択制からQUOカードPayを外して実質終了となった事例を掲載します。
(3738)ティーガイア
優待開始時期:2019年頃~(QUOカード/QUOカードPayの選択制に拡充:2023/08/30)
優待終了時期:2024/09/30付で株主優待制度を廃止(TOB関連)。
(9600)アイネット
優待概要:3月・9月基準でQUOカードPay/QUOカード(区分制)。
優待終了時期:2025/10/02に株主優待制度廃止を決議(公開買付成立を条件)。2026年3月より廃止。
IR:配当予想修正(無配)および株主優待制度廃止(2025/10/02)
(8894)REVOLUTION
優待開始時期:2024/10/23にQUOカードPay 60,000円/半期(年12万円)の新設を発表。
優待終了時期:2025/03/11に優待廃止を発表(一度も優待の実施なし)。
(9978)文教堂グループHD
優待変更:選択制(割引優待 or QUOカードPay)を廃止し、割引優待のみに一本化。
実質的にQUOカードPayをメニューから除外(=実質廃止)。適用開始:2023年8月31日基準分から。
IR:株主優待制度の変更(選択制廃止:2023/04/13)

